もはや時代遅れの学び方
ここ10年来、大学生と企業間での交流は倍増しているにもかかわらず、学校での教え方は何年も変わりがなく、特に語学学習の分野においては時代遅れといってもいいくらいのものである。学生がみな 言語学者や外国文学の専門家になるわけではないのに、多くの学生が自分たちの希望する、又は将来のために必要とすることを教えない指導者のもと就学しなければならないという現実を余儀なくされている。
適合性に欠ける学習
まず、大概の教授陣はたくさんの肩書を持つがほとんどが言語学や外国文学のタイトルである。
従って授業内容もその分野に偏りが出てしまっており 実践会話などを学ぶクラスは 日本在住2,3年の外国人、特に資格も無いアシスタントに任されていたりする。
こういった教授法には主に2つの問題点がみられる。
- 実践会話力学習の不足
週に2,3時間という言語学や分法の授業よりも少ない時間数になっている。
こうして4年間学習して 卒業時にはフランス文学のジャンジャック ルソーの言葉は完璧に読解することができても 会話は5分とできず 自分の行き先を尋ねることすらできないという結果になっているのが現状である。
- 歴史的な文章を使用
フランス文明を学ぶにおいては古い文章 歴史的な題材を扱うことが多く 現代の時事問題を題材に授業を進めることもほとんど行われていない。フランスの歴史などをざっと学び、それで終わっている。
しかし 20年前のフランスより現代のほうがいろんなことが進化し ファッションも変化している。
パソコンもインターネットも存在していなかったミッテラン政権の時代とはまるで違っているのだ。
フランスに留学する学生たちは今のフランスに適応する準備ができていないのである。
結局、フランス当局は言語学や古典文学を学ぶというフランス語教育を現代のフランスの実態と関連付ける事なく行ってしまっているのである。
仕切られた学問
大学関連機関は 学生の立場にたって大学を運営しておらずそれぞれの研究課題が優先されている場合も多い。
そこで学ぶ学生たちは狭められた範囲のテーマの中でしか 学ぶことができず その言語を使用しての経済や経営について学ぶなどということは単なるオプションとして扱われている。
学生への3つの影響
- フランス文学の学習において、プルースト、ディドロ、ラブレーなどの研究者たちはその専門分野のことしか教えないし ましてや フランスの経済状況などにな触れずに4年間を大学で過ごすのである。
その原状では4年間フランス文学科に在籍しても卒業後フランス企業での就職など不可能なのである。
それだけでなく プルーストなどで使われているフランス語は現代社会では誰も話さないしプルーストを極めても社会では役に立たないのである。
日本人学生が卒業後フランスにやってきてもメールひとつかけないのがほとんどでもある。
- 実践研修の欠如
たとえ フランス語の日常会話ができるようになったとしても はたしてそれですぐにプロとしての実践力として就業できるだろうか?やはり それなりに企業での即戦力となるための学習は「欠かせないものである。
- バイリンガルの世界席巻
今や世界中でバイリンガルたちが活躍するようになり それどころかますますバイリンガルたちの活躍の場は広がっている、まだフランス語より英語、という考え方も根強いようであるがしかし フランス語はEUにおける公式言語であるということを忘れてはならない。
大学での学習はプロとしての社会での即戦力に即決するものでなければならない。
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